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最近舘野泉に関して録画を見たり、音楽を聴いたり、著書を読むことが続いています。発端は去年だと思うのですがNHKラジオで舘野泉さんがゲスト出演した音楽番組をたまたま聴いたのです。その飄々としていて温かみがある声に惹かれ彼が演奏するCDを買ってみる気になりました。2002年に脳溢血で倒れその後わずか2年半で左手のピアニストして復活されたのは有名ですね。その復活までの軌跡をBSプレミアムで再放送があり録画したのを見ました。たまたま私が購入したのはその復活となったCD「風のしるし」でした。冒頭のシャコンヌが素晴らしい。バッハのバイオリン曲シャコンヌをブラームスがクララ・シューマンのために左手のためのピアノ曲に編曲したものです。タイトルとなった「風のしるし」(Wind Wrought)は現代作曲家の間宮芳生が舘野泉のために新たに作曲したものです。現代曲なので少し聴き込む必要はありますが美しい曲です。その後買ったのはアルゼンチンタンゴのピアノデュオとシベリウスのピアノ小品曲集。どちらも愛聴盤になっています。そして番組でも引用されていた著書の「ひまわりの海」(2004年刊)を図書館で借りてみました。文章も上手ですが挿入されていた写真も舘野さんが撮影したものでどれも素敵でした。芸術家の目でファインダーをのぞくとこういう写真になるのがよく分かります。この本で紹介されていたのがデオダ・ド・セヴラックで20世紀初頭の南仏の作曲家です。日本では知られていなくて私もその一人ですが、舘野さんは傾倒していて日本セブラック協会も発足させ演奏生活40周年の記念に「ひまわりの海」というCD(2001/6フィンランドで録音)も出しました。このアルバムはアマゾンでは中古品がしかも一点しか残っていなかったので早速購入しました。これも静けさに満ちた美しい作品集です。
水面に投げた石が次々と波紋を広げるように映像、音楽、本、そして人との出逢いと縁(えにし)を感じています。
写真はCD「風のしるし」と「ひまわりの海」
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